だらしな日記

だらしな日記

2019年四月に就活を控えた休学中の大学生。思ったことをなんとなく書きます。

就職や受験を控えた学生にこそ漢字検定を

1.二度の漢検受験

2.なぜ準1級を受験したのか??

3.漢字の読み書きだけじゃない

4.そして大学生へ

 

 

二度の漢検受験

 

 僕は漢字検定準1級をこれまで二回受験してきました。残念ながら二回目も落ちたっぽいので来年再び受験する予定ですが(笑)準1級からの受験となった漢検ですが、学生の方には2級が比較的ポピュラーらしく、2級の受験者のほとんどは学生のようです。しかし準1級になると、学生らしき受験者はいまのところそこまで見ていません。どちらかというと高齢の方が多いような気がします。漢検の勉強をしていると言うと、「資格オタクなの?」「なんのため?」という質問を必ずされます。以前書いた記事で、最初に漢検を申し込んだ動機はノリであったと書きましたね。最初は特に目的もなくなにかの検定を勉強してみたいという理由で、有名な漢字検定を受けることにしたのです。しかし勉強していくうちに、漢字検定の勉強が高校生や大学生にとって有益なことであると感じるようになりました。今回はそんな漢字検定について書いていきたいと思います。

 

 

なぜ準1級を受験したのか??

 

 2級ですと、もしかすると所持している方も多いかもしれませんね。しかし2級というのは高校生~大学受験の範囲で、出題は2136字の常用漢字からのみです。ほぼ知っている漢字からしか出題されないうえに、高校や中学で取得したという人も多いんですよね。そんなわけで負けず嫌い?というかプライドが高い僕はその1コ上の準1級を受けることにしたのです。要するに「漢検準1級ってかっこよくね?」と思ったからです。じゃあ1級挑戦すればいいじゃん!と思う方!鋭い!ここで、漢字検定最上位三階級の”出題範囲(漢字数)”と、僕が初めてそれぞれの問題集を見た時、どのくらい”知っている言葉”があったか、を簡単なグラフにしてみました。

f:id:MikkaOz:20171028230220p:plain

青い折れ線を見てもらえば分かる通り、2級はほぼ8割くらいは聞いたり見たことある言葉でした。1級はもはや見たことのない漢字どころか、普通に生活していてまず聞くことがない言葉しか出てきません。この数値はだいたいですが、四字熟語や故事成語は2級でもよく知らないものばかりだったので、一般的な読みや書きの部分を見た印象で言わせてもらいました。次に出題範囲となる漢字の数です。2級は先ほども書いたようにすべての常用漢字からの出題になります。常用外の漢字が出題されるのは準1級からになります。グラフを見てみると1級の漢字は約6000字(2136字の常用漢字+約4000字の非常用漢字)から出題されます。常用漢字の二倍近くの常用外の漢字を覚えなければなりません。グラフを見ると、1級と準1級のギャップはとても大きく感じますが、2級と準1級の差はそこまでではありません。しかも準1級で1000字近くの常用外の漢字が出題されると言っても、我々の多くが知っている漢字も意外と多いのです。例えば、中華料理やラーメン屋で親しみのある「炒飯」の”炒”めるという意味の漢字も常用外です。さらに日本人に多い苗字トップ5に入る「伊藤さん」の”伊”の字も常用漢字ではないんですよね。100万人近くが持っている苗字にも関わらず常用外の漢字なんですよね(笑)常用漢字を定める常用漢字表というものが政府によって作成されるのですが、常用漢字表の前書きによると・・・

1 この表は,法令,公用文書,新聞,雑誌,放送など,一般の社会生活において,現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すものである。

2 この表は,科学,技術,芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。ただし,専門分野の語であっても,一般の社会生活と密接に関連する語の表記については,この表を参考とすることが望ましい。

3 この表は,都道府県名に用いる漢字及びそれに準じる漢字を除き,固有名詞を対象とするものではない。

4 この表は,過去の著作や文書における漢字使用を否定するものではない。

5 この表の運用に当たっては,個々の事情に応じて適切な考慮を加える余地のあるものである。

http://www.bunka.go.jp/prmagazine/rensai/kotoba/kotoba_009.html

調べてみると『えっ?!これも常用漢字じゃないの?』と思うものが多いです。普段から我々が使っている常用外の漢字は2級では出題されない。ということは常識力をはかるうえで、2級は少し範囲が狭いと感じざるを得ません。そこで準1級の受験を学生の皆さんにはぜひ考えてほしいのです。

 

 

漢字の読み書きだけじゃない

 

 漢字検定がおすすめなんて言ってるけど、たくさん漢字なんか読めて書けてもなーんも良いことないじゃん。と思われる方いらっしゃいますよね。その通りだと思います。難しい漢字の読み書きが出来ても、日常生活ですとせいぜいネプリーグの漢字コーナー見ながらどや顔ができるくらいですかね(笑)だからこそ漢字検定なのです。どういうことかを説明するには、漢字検定に出題される問題がどのようなものなのかを知ってもらわなくてはなりません。出題される内容(問題の形式)は級によって違うのですが、僕が受けた準1級の出題内容ですとこんな感じです。

《読むことと書くこと》

常用漢字の音・訓を含めて、約3000字の漢字の読み書きに慣れ、文章の中で適切に使える。

・ 熟字訓、当て字を理解していること

・対義語、類義語、同音・同訓異字などを理解していること

・ 国字を理解していること(峠、凧、畠 など)

・ 複数の漢字表記について理解していること(國―国、交叉―交差 など)

 

《四字熟語・故事・諺》

典拠のある四字熟語、故事成語・諺を正しく理解している。

 

《古典的文章》

古典的文章の中での漢字・漢語を理解している。

各級の出題内容と審査基準 | 漢検の概要 | 日本漢字能力検定

 ただカタカナを漢字に直す、漢字の読みを書くといった問題の他に、漢検では対義語や類義語、漢字の意味や四字熟語、故事成語などが出題されます。このような問題に正解するには、もちろん漢字が書けて読めなければなりませんが、同時に意味も理解しなくてはなりません。これが僕が漢字検定を僕ら学生にとって利益になるという一番の理由です。つまり、漢字検定の勉強を通して、広範な日本語の知識を得ることができるということです。僕の場合むしろ、漢字の読み書きを覚えるというのはあくまでも最低限で、検定の勉強している時はそのほとんどを漢字や言葉の意味を理解する作業にあてなければならないほどでした。もはや漢字検定というのは、日本語の知識を問う検定なのです。これから社会に出る学生にとって、漢字検定は日本語の語彙を豊富にするためにとても有効な手段であると感じましたので、今回このような記事を書かせていただきました。

 

 

大学生に・・・

 

  漢字検定の勉強が日本語の語彙を豊富にすると書きましたが、就職を控えている場合ですと、やはり年上の方と接することが多くなりますよね。そんなとき、ふとした瞬間に少し難しい日本語が使えると「お、この学生は他とは少し違うな。」と感じさせることができます。”忖度”という言葉の意味を知っている学生とそうでない学生、どちらになりたいですか??就活すらしていないのに少し調子乗ってしまいました(笑)でもあまり難しい言葉ばかり使うと逆に「なんだこいつ」ってなっちゃうのでほどほどにしてくださいね。あとは卒論やレポートでも役立ちますよね。自分で文章を書く時もそうですが、お堅い学術論文を読むとき、書かれている日本語、特に漢字の意味、ニュアンスが理解できるだけでも勉強の大変な手助けになることかと存じます。このブログを見て少しでも漢字検定に興味を持っていただければ嬉しいです。グローバル化グローバル化とはやし立てられて、英語ばかりにすがるよりも、この機会に今一度我々の母国語たる日本語の学習に立ち返ってみてはいかがでしょうか。外国語学習においてよく言われることですが、母国語の語彙が豊富であればあるほど、外国語の理解の度合も速まります。最後まで読んでくれた方ありがとうございます!!!